失語症学の発展に向けて

言語聴覚士に役立つ書籍や考え方を紹介していきます

2021-01-01から1年間の記事一覧

痙攣性発声障害を克服した一例

声が出しづらい症状が出始めて16年ほど経ちます。人生の半分この症状と付き合っていますが、その16年の間どのように痙攣性発声障害と向き合ってきたのかお話していきたいと思います。あくまで私の症状で成果があっただけで、他の方に効果があるかどうかわか…

言語聴覚士になったきっかけ 痙攣性発声障害との戦い

今回は、私が言語聴覚士になったきっかけを話していこうと思います。 まずは高校時代に遡ります。私は高校で軽いいじめに遭っていました。その影響で吃音のように出だしで吃るような症状が出始めました。特に人前で話す時や緊張した場面になるとその症状は強…

ファクトフルネスから考えるリハビリ2 単純化本能

ファクトフルネスというベストセラー本から言語聴覚士(以下ST)のリハビリについて考えていきます。今回紹介するのは「単純化本能」です。 これは、シンプルなものの見方に惹かれるというものです。賢い考え方がひらめくとわかったと興奮し他の考え方が頭に…

ファクトフルネスから考えるリハビリ1 分断本能

ファクトフルネスというベストセラーの本があります。これは貧困や教育など世界情勢を正しく見る方法が書かれていて、言語聴覚士(以下ST)の仕事とは関係ないように思えます。しかし、データを正しく読み取るというところには共通点があると思います。今回…

数をこなせばよくなるか? 桑田流練習法から考える

巨人で活躍されていた桑田真澄さんが、ピッチャーの打撃練習の取り組み方について興味深いことを話されていました。桑田さんは、ピッチャーとして優秀な成績を収めていますが、バッターとしても投手による打率ランキングで歴代1位とのことです。 ピッチャー…

手の行為と言語行為

言葉を発することができない人は手話を用いてコニュミケーションを取ることができる。しかし、手話失語というものがあり、失語症になると手話にも障害が生じコミュニケーションが取れなくなる。手の行為と言語行為は共通点が多いように思う。 ある学会で印象…

言語聴覚士 スキルアップ資格6選

言語聴覚士(以下ST)は、国家試験に合格し免許を取得することで従事できます。そして、一度取得すればその後更新の必要はありません。つまり、国家試験にさえ合格してしまえば、仕事をするのにスキルアップは不要です。スキルをいくら上げても、それによる…

知覚と運動の新しい考え方 自由エネルギー理論

自由エネルギー理論は、Karl Friston氏が2005年から2010年の間に脳の情報処理の統一理論として構築したものです。 まず、自由エネルギーとは、あるシステムの内部エネルギーから熱になって出ていくエネルギーを引き、実質仕事として取り出せるエネルギー(自…

言語は空間の一部である 

エドワード・ホール著の「かくれた次元」に興味深いことが書かれていたので紹介したいと思う。 虹の色が文化によって違うことは知っている人も多いだろう。日本だと7色、アメリカは6色、南アジアのバイガ族は赤と黒の2色で認識するらしい。 「雪」という…

マニュアル通りやれば失語は治るのか?

失語症は高次脳機能障害の1つである。基本的なことだが、そのことを疎かにしてしまっていることが多い気がする。 言葉が出てこないから呼称訓練をして、書字できないから書字訓練を行う。検査でできなかった項目をそのままリハビリに取り入れるのは、マニュ…