失語症学の発展に向けて

言語聴覚士に役立つ書籍や考え方を紹介していきます

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

失語症治療のアプローチ方法5 〜意味セラピー〜

失語症の呼称障害に対して意味的な課題を用いた治療的介入を意味セラピーと言います。 意味セラピーの訓練として以下のものがあります。 1.音声と絵の照合課題:音声で提示された単語に対応する絵を意味的に関連する複数枚の絵の中から選ぶ 2.文字と絵の照合…

失語症治療のアプローチ方法4 〜メロディックイントネーションセラピー〜

メロディックイントネーションセラピー(MIT)は、1970年代にアメリカで開発された音楽のもつ節回しやリズムを利用して失語症者の発話を改善させる方法です。 通常の訓練では、音韻・意味・文法などの言語学的要素(主に左脳)を用いるのに対して、MITは非言語…

失語症治療のアプローチ方法3 〜機能再編成法〜

Luriaによって提唱された訓練方法です。 刺激法では、障害された機能そのものに働くかけ抑制された機能を賦活させる方法ですが、機能再編成法は、障害された言語機能の直接の刺激では回復困難だと考え、保たれている機能を利用して迂回路を形成するというも…

失語症治療のアプローチ方法2 〜遮断除去法〜

遮断除去法(deblocking method)は、Weiglによって提唱されたもので、ブロックされたものを解除するという考え方の治療法です。 言語機能が消失したのではなくアクセスの障害であり、刺激を用いて促通させるという点は刺激法と共通しています。 失語症者は、…