失語症学の発展に向けて

言語聴覚士に役立つ書籍や考え方を紹介していきます

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

知覚と運動の新しい考え方 自由エネルギー理論

自由エネルギー理論は、Karl Friston氏が2005年から2010年の間に脳の情報処理の統一理論として構築したものです。 まず、自由エネルギーとは、あるシステムの内部エネルギーから熱になって出ていくエネルギーを引き、実質仕事として取り出せるエネルギー(自…

言語は空間の一部である 

エドワード・ホール著の「かくれた次元」に興味深いことが書かれていたので紹介したいと思う。 虹の色が文化によって違うことは知っている人も多いだろう。日本だと7色、アメリカは6色、南アジアのバイガ族は赤と黒の2色で認識するらしい。 「雪」という…

マニュアル通りやれば失語は治るのか?

失語症は高次脳機能障害の1つである。基本的なことだが、そのことを疎かにしてしまっていることが多い気がする。 言葉が出てこないから呼称訓練をして、書字できないから書字訓練を行う。検査でできなかった項目をそのままリハビリに取り入れるのは、マニュ…