失語症学の発展に向けて

言語聴覚士に役立つ書籍や考え方を紹介していきます

ファクトフルネスから考えるリハビリ2 単純化本能

ファクトフルネスというベストセラー本から言語聴覚士(以下ST)のリハビリについて考えていきます。今回紹介するのは「単純化本能」です。

これは、シンプルなものの見方に惹かれるというものです。賢い考え方がひらめくとわかったと興奮し他の考え方が頭に入ってこない、すべての問題は一つのやり方で解決できるといった状態です。

 

STの臨床場面でもそういうことはないでしょうか?

1つのやり方に固執していると、効果が出ている時はいいですが、効果が出ない時に修正が効かなくなります。理論上正しいやり方だったとしても、相手は機械ではなく人間なので、性格や能力などによりそのやり方に対して向き不向きがあります。

相手の状況に対して柔軟に対応する必要がありますが、一つのやり方しか知らないと臨機応変に対応することは難しいです。そのため、リハビリ内容を複数用意しておく必要があります。このブログでは、失語症訓練として複数の方法を紹介しています。こんなにも必要ないと感じるかもしれませんが、患者一人一人にあったリハビリを提供するためにはストックが多いに越したことはないでしょう。ストックが豊富であれば、反応がいまいちだった時に違う方法を試して最適なものを提供することができます。