失語症学の発展に向けて

言語聴覚士に役立つ書籍や考え方を紹介していきます

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

失語症治療のアプローチ方法1 〜刺激法〜

失語症治療のアプローチ方法には様々なものがあります。その方法を簡単に説明していきたいと思います。 刺激法は、WepmanやSchuellらによって提唱され、失語症治療として幅広く用いられているアプローチ方法です。 治療原則として以下の6つがあります。 強…

ジャクソンの神経心理学 〜失語症は本当に「ことばを失っているのか」〜

失語症の特徴として、自動性と意図性の乖離があります。これは、無意識下ではできることも意識してしまうとできないというものです。例えば、失語症患者が復唱や呼称が全くできないのに、普段の生活では挨拶や返事ができてしまうような状態です。なぜそのよ…

史上最強の哲学入門 〜呼称訓練について考える〜

哲学をこれから学んでいこうという人にオススメの本です。 本書は、様々な哲学者の考え方を以下の4つのテーマに分けて説明しています。 真理の「真理」 国家の「真理」 神様の「真理」 存在の「真理」 今回は、『存在の「真理」』で登場するソシュールの考…

失語症 治療へのアプローチ 著 Anna Basso

失語症のタイプ分類は、ブローカ失語、ウェルニッケ失語、伝導失語などいわゆるBoston学派を中心とした古典分類が有名です。この分類方法は、発話の流暢性、復唱、聴理解の3項目で構成されています。失語症に関する論文や学会発表でも古典分類で示されてい…

言語聴覚士の専門領域は?

言語聴覚士(ST)は、主に嚥下障害、高次脳機能障害、失語症、構音障害に対してリハビリをすることが多く、その中で現在STが最も関わっているものは嚥下障害です。もし、上記に挙げた全ての障害を持った患者がいた場合、最初に取り組むのは嚥下障害だと思い…

リハビリ室の本棚に思うこと

私は回復期リハビリ病院で言語聴覚士として働いています。言語聴覚士とは、飲み込みの障害(嚥下障害)や言語障害(失語症・構音障害など)に対して回復を目指しリハビリを行う仕事です。 私の働いている病院のリハビリ室には本棚があり、そこにはリハビリテ…